このコーナーのQ&Aは、アルバック機工の創立30周年を記念して企画編集した
「真空でなにができるか」 (日刊工業新聞社発行)から抜粋したものです。
※記載の順序や表記方法は一部変更しています。


真空をつくるためのQ&A
Q1.2 油回転真空ポンプとは?

油回転真空ポンプは、油によってロータ、ステータ、しゅう動翼板などの部品の間の気密および無効空間の減少を図っている容積移送式真空ポンプのことをいいます。代表的な油回転真空ポンプを写真に、また回転翼型油回転真空ポンプの内部構造を図に示します。

回転翼型真空ポンプは大気圧から高真空領域まで有効に作動し、小型のわりには大きな排気速度が可能です。しかも大気圧から作動できるポンプの中では最も効率がよい形式であるため、機械式真空ポンプの代表的な機種として以前から最も多く使用されています。

ロータについている2枚の翼板がスプリングによって、常にステータに押し付けられながら回転し、翼板、ロータ、ステータで囲まれた空間の容積変化によって気体輸送を行う機械式の真空ポンプで、通称ゲーテ型と呼ばれている形式のものです。ポンプのステータや弁の部分を油タンク内の油に浸して、外気の侵入を防ぐ構造のものが一般的に多く、潤滑と油膜によるシールに必要な油量だけ油を吸引させる構造の商品もすでに製作されています。

この形式の真空ポンプは回転軸がステータの中心を通らず、ロータの中心を通る構造となっているため、運転中の振動が少ないなどの長所があり、小型ポンプでは最も多く採用されている形式です。モータ直結型が多く生産されています。

揺動ピストン型真空ポンプはステータ気密部をしゅう動するプランジャにガイドされた円筒部の外部が偏心ロータの回転によるプランジャの上下首振り運動に伴い、ステータ内面を微小隙間に保ち、油でシールされながら回転し、プランジャ、円筒およびステータで囲まれた空間の容積を変化させて気体輸送を行う容積移送式真空ポンプのことで、キニー型ポンプとも呼ばれています。

真空ポンプを使用する場合、排気する気体は一般に空気となりますが、空気中に含まれる水分以外に水蒸気などを吸引する場合が多いので、油回転真空ポンプ油は水との分離性が要求されます。ただし、多量の水分を吸引した場合は、油の蒸気圧が高くなるため、到達圧力が悪くなったり、ポンプの腐食を促進したりいろいろと面倒なトラブルが起こる可能性があります。



油回転真空ポンプの外観


回転翼型油回転真空ポンプの内部構造


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