このコーナーのQ&Aは、アルバック機工の創立30周年を記念して企画編集した
「真空でなにができるか」 (日刊工業新聞社発行)から抜粋したものです。
※記載の順序や表記方法は一部変更しています。

 

真空排気系を利用するときのQ&A
Q3.3 ガスバラストバルブとは何ですか?

水蒸気や溶剤蒸気などの凝縮性ガスを吸引する場合に有効となる油回転真空ポンプの装備です。凝縮性ガスは吸引された後、ポンプの圧縮・加圧工程で液体化してポンプ油へ混入し、油とともにポンプ内を循環し始めます。こうなりますと、蒸気圧の高い油を使ったのと同じ効果が現れて、ポンプの到達圧力が高くなります。また、油の潤滑性が低下しますので、シャフトシール部の寿命を縮めます。

ポンプの圧縮・加圧工程の直前でガスバラストバルブから空気あるいは乾燥窒素を入れますと、凝縮性ガスは液化せずに排気弁を経由して、空気あるいは乾燥窒素といっしょに排気されます。ガスバラストバルブを使用する場合には、ポンプ温度が高いほど「ガスバラスト効果」が大きいので、凝縮性ガスを吸引する前にガスバラストバルブを開いて約20分運転し、ポンプ温度を70℃程度に高めてから、真空バルブ(A)を開いて運転してください。温度が低いときの「ガスバラスト効果」は処理能力を下回ります。

なお、凝縮性ガスを吸引しないときにガスバラストバルブを開けたままにしておきますと、ポンプ油の飛散および動力ロスを伴うだけでなく、到達圧力が高くなります。また、ガスバラストバルブによる凝縮性ガスの処理能力に限界がありますので、多量の凝縮性ガスを排気したり、ガスバラストバルブを開けずに凝縮性ガス(油を汚す少量の水分やほかの蒸気を含んだ空気やガス)を排出した後は、ポンプ油に凝縮性ガスが残存します。この場合、真空バルブ(A)を閉じてガスバラストバルブを開いて空運転しますと、油温が上昇して、ガスバラストバルブ効果によりポンプ油を浄化することができます。これはガスバラストバルブを閉じた状態で所定の到達圧力が得られるまで行ってください。長時間かけても浄化が進まない場合はポンプ油の交換が必要です。




真空室と基本的な配管接続図


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