多段ルーツ型ドライ真空ポンプとは？

　多段ルーツ型真空ポンプは、油や液体を真空室内に使用しない機械式の真空ポンプです。

多段ルーツ型ドライ真空ポンプの特長

　ルーツ型ドライ真空ポンプとは、多段のメカニカル・ブースターポンプを一体化したドライ真空ポンプです。三つ葉のロータを用いたルーツ型ドライ真空ポンプでは、一軸に多段のロータを接続することで、大気圧まで圧縮・排気が可能なポンプとなっています。ロータ・ケーシング内には油等の封液は使用しておらずクリーンな排気が可能です。ギヤやベアリングには潤滑のために油を使用していますが、シール構造を工夫し油がケーシング内に入らないようにています。
【長所】クリーンな真空を得れらる、大気圧から到達圧力まで使用可能。
【短所】容積効率の点では接触型のポンプより劣る。

多段ルーツ型ドライ真空ポンプの主な利用分野

　FPD製造装置・半導体製造装置・真空蒸留・精製脱ガス・殺菌・乾燥脱水・消毒　など

多段ルーツ型ドライ真空ポンプの仕組み

高速回転するロータよって気体を輸送

　このポンプは、ケーシングと呼ばれる箱の中に三つ葉のロータ（回転体）が２つ入っており、一対のギアによって互いに反対方向に同じ周期で回転しています。ロータ同士、またロータとケーシングは接触することがなく、わずかな隙間を保ちながら回転して気体を移送圧縮します。ロータを多段構造にし、大気圧まで圧縮し、大気中に排気します。