【真空基礎知識】油回転真空ポンプのパーツ取付例
オイルミストトラップとフォアライントラップの取付例
■GLD-137CC+OMT-200A
■GLD-137CC+OMT-200A+OFI-200V
■GCD-136X+OMC-200
■GLD-137CC+OMI-200+排気管(ホース口・KF25フランジ)
オイルミストトラップとフォアライントラップの取付事例
■GCD-137CC+吸気管(1)
■GCD-137CC+吸気管(2)
KFフランジの接続
■真空配管:KFフランジの接続
■真空配管:GLDシリーズとKFフランジの接続
ガスバラスト
ガスバラストバルブ(凝縮性ガス排気機能)について
水蒸気を吸引する場合の対策として、ガスバラストバルブがあります。 水蒸気や溶剤蒸気などの凝縮性ガスを吸引する場合に有効となる油回転真空ポンプの装備です。
凝縮性ガスは、吸引された後、ポンプの圧縮・加圧工程で液体化してポンプ油へ混入し、油とともにポンプ内を循環し始めます。このような状態になる と、蒸気圧の高い油を使った時と同じ効果が現れ、ポンプの到達圧力が高くなります。また、油の潤滑性が低下するので、シャフトシール部の寿命を縮めること になります。
ポンプの圧縮・加圧工程の直前でガスバラストバルブから空気あるいは乾燥窒素を入れると、凝縮性ガスは液化せずに排気弁を経由して、空気あるいは乾燥窒素と一所に排気されます。
ガスバラストバルブを使用する場合には、ポンプ温度が高いほど「ガスバラスト効果」が大きいので、凝縮性ガスを吸引する前にガスバラストバルブを開 いて約20分運転し、ポンプ温度を70℃程度に高めてください。温度が低いときの「ガスバラスト効果」は処理能力を下回ります。
なお、凝縮性ガスを吸引しないときにガスバラストバルブを開けたままにしておくと、ポンプ油の飛散および動力ロスを伴うだけでなく、到達圧力が高くなります。
また、ガスバラストバルブによる凝縮性ガスの処理能力には限界があり、多量の凝縮性ガスを排気したり、ガスバラストバルブを開けずに凝縮性ガス(油を汚す少量の水分やほかの蒸気を含んだ空気やガス)を排出した後は、ポンプ油に凝縮性ガスが残存します。
この場合、ガスバラストバルブを開いて空運転すると、油温が上昇して、ガスバラストバルブ効果により ポンプ油を浄化できます。これはガスバラストバルブを閉じた状態で所定の到達圧力が得られるまで行ってください。長時間かけても浄化が進まない場合はポン プ油の交換が必要です。